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施工事例

403 Royal Court SAGA “PAPER”

403 Royal Court SAGA "PAPER"

ハタノワタルさんとは、「いつか一緒にお仕事させて頂きたい」と思っており、今回のプロジェクトで、その願いが叶うこととなりました。京都府綾部市の工房へ伺った際、今や多くの方が知るあの"ハタノさんの和紙"ができるまでの流れをご本人から直接お聞きすることができました。

 

和紙の原料となる楮(こうぞ)を自ら栽培し、紙を漉くまでの全工程を工房とその周辺で行っていること。お話を伺うにつれ、"和紙"とは単なる紙ではなく、楮の皮から作られる「植物」であり「自然素材」なのだと学びました。だからこそ強度があり、水回りの壁や床、カウンターにまで使用できる耐久性が備わるのだと。

 

ハタノさんが多様な形で和紙を用いることで生産数が増え、地元の方々を含めた各工程に仕事が生まれる。その過程で得た収益で新しい工房を作り、また地域へ還元していく――。
このエコシステムが本当に魅力的で、さらにその先にある「チームハタノ」の構想を伺っていると、あまりの格好良さに引き込まれ、途中からは私個人の事業相談になってしまったほどです(笑)。
その一貫した姿勢と生き様に、終始「なんてカッコいいんだ」と感動しきりのひとときでした。

 

403号室という部屋は、赤熊宏紀建築設計事務所の赤熊さんが図面を整理し、ハタノワタルさんがデザインを調整していくという「協働スタイル」で生まれました。
(赤熊さんのFacebookに素晴らしい軌跡がまとめられているので、ぜひご覧ください!)

 

https://www.facebook.com/hiroki.akaguma/?locale=ja_JP

https://www.ccr702.com/royal-court-saga

 

 

施工の視点からお話しすると、この部屋の主役は、R曲面の壁や建具に施されたハタノさんの「和紙」です。
和紙がもつ繊細なイメージに「触れても大丈夫かな?」という緊張感を持ちながら壁に触ってみると、和紙という素材がもつ心地よさを感じることができる空間です。
ただ、この「R曲面の美しさ」を支えるのは、実は圧倒的な下地の精度です。
担当したのは、堀内聖弥大工。
堀内大工の仕事は、丁寧で正確、それに加えて各種メディアやSNSでハタノさんの活躍を目にしていた一人でもあったので、「ハタノさんの和紙を見せるためには、ここまでのことが必要。」と完成から逆算して精度を高めることができたことが大きかったです。そしてその過程は、とても心地よい緊張感に満ちたものでした。

 

そして、R曲面に寸分違わず沿わせた建具を製作してくださったのが、STUDIO-Aの池上さん。
枠も扉もRという難題を形にする職人技は、言葉を選ばず言わせていただくと……本当に「変態的」でした(笑)。
未知の世界へ挑戦し、それをやり遂げることで得られた自信。このマインドの変化こそが、何より貴重な経験です。

 

ハタノさん、赤熊さん、チームの皆さん。
素敵な和紙と空間、そして挑戦の機会を本当にありがとうございました。

 


Design:ハタノワタル 和紙職人
設計:赤熊宏紀建築設計事務所
企画:株式会社CONTEMPORARY COCOON ROOM702
施工:株式会社Puddle&Flag
大工:堀内工務店/堀内聖弥
家具:STUDIO-A
撮影:倉本あかり


 

物件名 403 Royal Court SAGA "PAPER"
工事現場 京都市右京区
内容 RC造マンションの室内リノベーション工事
竣工時期 2024年12月〜2025年9月