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施工事例

208 Royal Court SAGA “CONTRARY”

208 Royal Court SAGA "CONTRARY"

いつも現場を共にする仲間でもある、『STUDIO-A』の池上さん。
今回は、家具職人として208号室のデザインをしていただきました。

 

家具職人、特に池上さんの優れた特徴の一つが、”材木を見極める目”であると私は考えます。
材木価格は、まさにピンからキリまで幅広く、木材によっては桁が一つも二つも変わる程、奥深いものです。
製作する家具のイメージと予算を基に使用する材木を決めて、木の質や美しい木目、材の持つ風格が最も際立つ部分に使用できるように綿密に計算しながらひとつの家具を製作します。

 

208号室の室内は他の部屋とは変わっていて、間口が2.7m程度しかなく、うなぎの寝床のように奥へと長いが、天井高が4m強もあり、他の部屋とは違う特殊な造りになっています。
今回池上さんがメインの材木として採用したのが、通常は壁や床の下地材として使われる「針葉樹合板」。
下地材であるため、金額は手頃で、誰もが利用できるホームセンターでも取り扱いされており簡単に手に入る材木です。
池上さんはおそらく、店頭にある300枚前後の針葉樹合板を全てひっくり返し、1枚1枚を見た上でその中から約50枚選定し、さらにはどの壁にどの順番で貼り付けていくかの番号付けまでしておいて、現場で順番に貼り付けます。
これがとんでもない…。

 

茶室や数寄屋の施工の際に1本の樹木から下地材や突板材の全てを加工製材して使用することがあります。そうすると板材が連なった時に木目が連続して見え、とても自然な並びになることを意図として行うのですが、同じことをホームセンターの材木で行う池上さん。
誰でも思いつくけど、誰もができることではなく、材木を見極める目がなければできない、とても池上さんらしく、素晴らしく勉強になるやり方だなと圧巻でした。

 

さらに、室内のメインを飾る4m一体で製作されたキッチン/作業台の家具も素晴らしい。
この家具のサイズを中心に室内の間取り、寸法が決められており、家具天板〜壁面に貼っている約600枚の100mm角タイルは、1枚もカットしていません。つまり完璧な寸法割り付け。
ダイニングテーブルと2脚の椅子も取り出されるように格納されており、スッポリ感がとても気持ち良い。

 

空間デザインへのアプローチがいかにも家具っぽく、とても楽しく面白い空間でした。
他のお部屋の家具や建具も製作いただきながら、208号室では自ら現場に入って、手を動かし続けて完成させた池上さん。仕上がった時、他の部屋とは一味違った意味で感動はひとしおです。
池上さんにしか作り出すことができない、唯一無二の素敵な空間に仕上がっています。

 

この度は、貴重な機会を、そして素晴らしい空間を作っていただき、本当にありがとうございました。

 

https://www.ccr702.com/royal-court-saga

 


Design:STUDIO-A/池上将愓 家具職人
企画:株式会社CONTEMPORARY COCOON ROOM702
施工:株式会社Puddle&Flag
大工:犬塚建工/犬塚侑太郎 堀内工務店/堀内聖弥
撮影:倉本あかり


 

物件名 208 Royal Court SAGA "CONTRARY"
工事現場 京都市右京区
内容 RC造マンションの室内リノベーション工事
竣工時期 2024年12月〜2025年9月